近年、住まいにおいて、リビングとダイニングとキッチンがひとつながりになった間取りが主流となりました。そうした空間は、広く、開放的に感じられる一方、ともするとインテリアのメリハリがなくなってしまいます。

たとえば、リビングはソファやチェアにすわり、家族や友人と会話を楽しんだり、一人で読書を楽しんだりする「静」の時間が流れる一方、ダイニングは食事をしたり、仕事や書きものをする「動」の時間が流れることが多いでしょう。

そんなとき床にラグを敷けば、壁やパーティションがなくとも、くつろぐ、食事をするというそれぞれのエリアが仕切られます。家具や照明などインテリアを構成する要素がラグによって結び付けられ、まとまりが生まれます。また、ラグを敷いたエリアがフォーカルポイントとなり、空間に奥行きをもたらしてくれます。

ラグを購入する際にむずかしいのが、サイズ感。ラグのサイズに決まりはありません。しかしながら、心地良い空間を生み出す“バランスの良いサイズ”があります。ポイントは、家具の配置と床とのサイズバランス。たとえばリビングの場合、ソファの足元だけにラグが敷くと、ゆとりがなく、窮屈に見えてしまうことも。ソファやアームチェア、テーブルなどの家具がすべて納まるようなサイズのラグを組み合わせると、ゆったりとしたリビングになります。

とくに日本では、畳敷きの空間が減った現在でも、床座の習慣が残り、床に直に座ってくつろぐ人が多いのではないでしょうか。ラグを敷けば、床座でも気持ち良く過ごせます。

ダイニングの場合、椅子を引いたときに脚部がラグから出ず、腰掛けたときにテーブルと椅子を含むエリアに少し余裕が生まれるくらいのサイズがおすすめ。そのエリアがまとまり、視覚的にも安定感が生まれます。ラグのサイズの決め方は、こちらでもご紹介しています。ぜひご参考くださいませ。